顔や頭に痛みを伝える神経細胞の集まり(三叉神経脊髄路核)は、脳幹から首の上部(上位3頚椎の高さ)まで続いています(図1●●●の部分)。
この三叉神経脊髄路核は、首の痛みを伝える神経細胞の集まり(頚髄後角膠様質)に移行します。
三叉神経脊髄路核の下部の所●は、前頭部(おでこ)からの痛みを脳に伝えます。
この部分は頚髄後角膠様質と重なり合っていると言われています。
この事により、首の痛みを伝える上部3つの頚神経と前頭部の痛みを伝える眼神経が合流する事になります。
この為、首の上部に障害(首のズレなど)が起こると、首からの痛みが脳に伝えられる時に脳が錯覚を起こし、前頭部に痛みを感じる事があります(関連痛)。
4つの神経が後頭部からの痛みを伝えます(図2参照)。
4つの後頭神経は、上部の頚神経(図水色の線)に合流します。
首の上部の筋肉や関節に障害が起こると、後頭神経が上部頚神経に合流する為、後頭神経が健全でも、後頭部に関連痛が現れる事があります。
又、後頭神経が筋肉、筋膜、骨などにより絞扼(しめつけられる)されて後頭神経痛が出る事もあります(絞扼性神経障害)。
通常は、神経痛の痛みは、ズキズキと神経に沿って激しく痛みますが、関連痛の痛みはハッキリとしない深部痛が多いと言われています。
神経痛の場合、神経が筋膜から出る所(上図○圧痛点)を押さえると痛みが増強します。
後頭神経痛が起こると、この痛みを伝える上部頚神経に三叉神経(眼神経)が合流する為、三叉神経(眼神経)の領域にも関連痛が現れる事があります(大後頭三叉神経症候群)。
*逆に、三叉神経痛が起きた時でも後頭神経痛が現れる事もあります。
それにより、痛みは後頭部だけでなく、目の奥や前頭部にも感じる様になります。
三叉神経脊髄路核には脳硬膜、太い血管の周囲、目、耳、副鼻腔、口腔、舌からの痛みを伝える神経も合流しています。
それにより、色々な症状が併発される事も有ります(自律神経症状など)。
また、血管、目、口の中(歯など)、顎(かみ合わせ)に障害が起きても頭痛が現れ、上部頚神経が痛みを伝えている所(首や肩)にも痛みと機能障害が現れます。
僧帽筋(そうぼうきん)や胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は、上部3頸椎の感覚神経が痛みを伝える為、この筋肉の首や肩の部分の障害でも頭痛が現れます(トリガーポイントによる頭痛と顔の痛み参照)。
*僧帽筋と胸鎖乳突筋の運動は、脳神経である副神経により支配されています。
背骨・骨盤を矯正して全体のバランスを良くすると、上部頸椎の状態が良くなります。
特に上部3頸椎の矯正や頚部の反応点への鍼治療が慢性頭痛の治療に非常に有効です。
*頭部の血管を調節する神経(交感神経)は、主に胸椎1番から3番より出て、頸部の動脈に沿って頭の中に入り、脳内の血管を支配しています。
上部胸椎の異常も頭痛に影響する事が有ります。
やまだカイロプラクティック院・鍼灸院
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