腰椎椎間板ヘルニア・3


「腰椎椎間板ヘルニアの原因」


正常な髄核は、線維輪が破れても、粘り気がある為にヘルニアを起こさないと言われています。

ヘルニアを起こすには、髄核の粘り気が無くなる必要があります。

 

前屈時に腰椎は椎間板によって圧迫され、腰椎と椎間板との境目がひび割れてしまいます(終板骨折)。

 

腰椎の中には腰椎自体に栄養を与える血管があります。

 

終板骨折により髄核は腰椎の中の血液に触れて、免疫反応を起こします。

それにより、髄核の粘り気が無くなり、髄核が脱出できる状態になると言われています(変性)。

 

腰椎の前屈

腰を曲げた時、体の重さは前方にある椎間板にかかります。

 

そして、後方の関節も離れて不安定になります(図参照)。

 

この状態で、体をひねったり、重い物を持ったり、くしゃみをした時に線維輪が破れてしまいます。

 

また、長時間、腰を丸くしているだけでも椎間板に負担がかかり線維輪が破れます。

 

これらの繰り返しにより、段々と裂け目が広がっていきます。

 

やがて髄核が突出したり、脱出します。

 

線維輪の外側3分の1には痛みを感じる神経があり、内側3分の2には痛みを感じる神経はありません。

 

ヘルニアまで至らなくても、神経のある外側3分の1の線維輪を痛めると腰痛が起こります。

 

ぎっくり腰は、この線維輪の急激な断裂で起こる事が多いと考えられます。

 

筋肉を傷めてぎっくり腰になると言われますが、筋肉より線維輪を傷めてぎっくり腰になる人の方が、はるかに多いように感じます。

 

線維輪の内側を傷めると、内側には神経が無い為、その時は痛みを感じません。

 

時間が経ち、炎症が外側3分の1まで広がると痛みが出てくると考えられます。

 

椎間関節の非対称

腰痛と坐骨神経痛を訴える患者さんの多くは、腰椎の後方の関節面(図の赤ライン)に左右の非対称を有すると言われています。

 

関節に非対称があると、腰椎に体重がかかったり、前に屈んだ時に、赤い矢印の方向へねじれる力が働きます。

 

このねじれにより線維輪が破れ、ヘルニアを起こすと考えられます。

 

 

「腰椎椎間板ヘルニアの治療」


突出型ヘルニアの場合、

矯正は、突出側の線維輪の通路を開くように力を加え、その力を維持したまま、腰椎前部を開くように力を加えます。それにより髄核が椎間板の中に吸引されます。

 

腰痛や下肢痛に対して、

通常は、ヘルニアの有無にかかわらず、背骨や骨盤のズレを矯正したり、鍼治療で経絡の反応点に治療を施す事で症状は改善されます。

 

飛び出したヘルニアが、そのまま残っていても(構造的異常)、矯正により、腰椎の動きや神経の循環が改善されると(機能的異常)、症状が良くなる事が多いようです。

 

腰痛や下肢痛が全く無い人でも、画像検査をすると椎間板ヘルニアが発見される事が多いと言われています。

 

腰痛や下肢痛のある人が、画像検査でヘルニアが発見されても、筋力の低下や感覚の麻痺が無い場合、出現している症状がヘルニアによるものか、他の場所の障害や関連痛によるものかの判断は難しいでしょう。

 

*一般的に、神経が圧迫されると神経の走行に沿った、鋭い痛み(電撃痛)が起こると言われています。

 

ヘルニアの予防としては、物を持ち上げる時は、物に出来るだけ近づき腰を反らすように意識して持ち上げて下さい。

 

又、立っている時、座っている時に骨盤が後方へ倒れて腰が丸くならないようにして下さい。

 

耳たぶが肩の真上に位置するようにすると骨盤が起きて腰も伸びます。

特に朝は、椎間板が水分を多く含んでいてヘルニアを起こし易いので、前に屈む時など気をつけて下さい。

 

仰向けで起き上がる腹筋運動は、ヘルニアを悪化させる恐れがあります。

腹筋を鍛える時は、背伸びをしながら、ゆっくりと息を全部吐き出し、お腹の周りを腹筋で締めるようにすると良いでしょう。