トリガーポイント=TP
図の✖印はTPの位置を示し、紫は関連痛の放散部を示す。
側頭筋TPによる頭痛は、側頭部全体に広がる。
側頭筋前部のTP1は、眼窩上縁に沿って前方と上顎の切歯前部に痛みを放散する(図1参照)。
側頭筋中間部のTP2とTP3は側頭部の中部へ痛みを放散する。
TP2は切歯の後部に痛みを放散し、TP3は奥歯と上顎骨、そして顎関節にも痛みを放散する(図1参照)。
TP1~3は頭痛よりも咀嚼、熱、冷刺激に伴う歯の痛覚過敏を引き起こす事がある。
側頭筋後部のTP4は側頭部の後方に痛みを放散する(図1参照)。
起始:側頭窩
停止:下顎骨の筋突起、下顎枝の前内側面
神経支配:三叉神経(第Ⅴ脳神経)第3枝の下顎神経からの深側頭神経
「咬筋浅層TP」
上方のTP1は上顎の大臼歯から上顎骨に痛みを放散する(図2参照)。
中間部のTP2は下顎の大臼歯から下顎骨に痛みを放散する(図2参照)。
TP1・2は咀嚼・熱・冷刺激による歯の痛覚過敏をもたらす事がある。
下顎骨下縁のTP3は下顎と顎関節から眉毛上部に痛みを放散する(図2参照)。
「咬筋深層TP]
下顎枝を覆う深層のTPは、頬の外側から顎関節に痛みを放散する。
また、耳の深部に痛みが放散する事があり、耳鳴りを伴う事もある(図2参照)。
起始:(浅層)頬骨弓の前部及び中部 (深層)頬骨弓の中部及び後部内面
停止:下顎枝、下顎角の外面で、浅部は咬筋粗面の下部、深部は咬筋粗面の上部
神経支配:三叉神経(第Ⅴ脳神経)第3枝の下顎神経からの咬筋神経
内側翼突筋TPからの痛みは、口腔、耳の深部と下部、顎関節部に放散する(図3参照)。
また、耳の閉塞感を生じる事も有る。
起始:翼状突起の外側板内側面の翼突窩
停止:下顎角の内側面(翼突筋粗面)
神経支配:三叉神経(第Ⅴ脳神経)第3枝の下顎神経からの内側翼突筋神経
外側翼突筋TPからの痛みは、顎関節の深部と上顎洞の部分に放散し、顎関節の機能障害に関連する(図4参照)。
起始:上部は蝶形骨大翼の下面、下部は翼状突起の外側板外側面
停止:顎関節の関節円板、下顎骨関節突起の翼突筋窩
神経支配:三叉神経(第Ⅴ脳神経)第3枝の下顎神経からの外側翼突筋神経
顎二腹筋の後腹TPからの痛みは、胸鎖乳突筋の上部から咽喉に放散され、後頭まで広がる(図5参照)。
稀に顎二腹筋の前腹TPからの痛みが、下顎の切歯4本から下歯槽に放散する事がある(図5参照)。
起始:乳様突起内方の乳突切痕
停止:舌骨小角上の中間腱を介し、下顎骨の内側面
神経支配:後腹は顔面神経(第Ⅶ脳神経)の二腹筋枝、前腹は三叉神経(第Ⅴ脳神経)第3枝の下顎神経からの顎舌骨神経
眼輪筋TPからの痛みは、鼻に放散し、頬や上唇に痛みが広がる事もある(図6参照)。
起始・停止
「眼瞼部」内側眼瞼靭帯から外側眼瞼靭帯へ眼瞼裂の周囲を輪状に走る
「眼窩部」内側眼瞼靭帯の内側端と近接する骨部から外眼角に進入する
「涙嚢部」涙骨、涙嚢を覆う筋膜から上眼瞼と下眼瞼内に進入する
神経支配:顔面神経(第Ⅶ脳神経)
大頬骨筋TPからの痛みは、鼻の外側から鼻根部を越え前頭部に放散する(図7参照)。
起始:頬骨外側面 停止:口角
神経支配:顔面神経(第Ⅶ脳神経)
広頚筋TPは通常、胸鎖乳突筋上にあり、刺すような痛みを同側の下顎骨外側の皮膚に放散する(図8参照)。
また、ピリピリとした痛みを胸部前面に放散する事もある。
起始・停止:顔面下部から胸部上部へ張る
神経支配:顔面神経(第Ⅶ脳神経)
前頭筋TPからの痛みは、同側の前頭部から上方へ放散する(図9参照)。
起始・停止:帽状腱膜から眉部に張る
神経支配:顔面神経(第Ⅶ脳神経)
後頭筋TPからの痛みは、同側の後頭部から頭頂・側頭部に広範囲に放散し、眼窩の奥にも強い痛みを引き起こす(図10参照)。
起始・停止:最上項線から帽状腱膜に張る
神経支配:顔面神経(第Ⅶ脳神経)
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