トリガーポイントによる頭痛と顔の痛み


頭や顔以外の場所にあり、主に頭痛や顔に痛みを引き起こすトリガーポイントをピックアップしました。

 

トリガーポイント=TP Ⅽ=頸椎 T=胸椎

 

図の✖印はTPの位置を示し、紫は関連痛の放散部を示す。

 

 

「僧帽筋トリガーポイント」

 

「僧帽筋上部線維のトリガーポイント(TP1とTP2:図1参照)」

  TP1は、首の後外側面から耳の後方に痛みが放散する。

 

関連痛が強い場合、痛みは側頭部に広がり、眼窩と下顎角に及ぶ。

  

稀に、痛みは下顎の臼歯や外耳道にも表れ、めまいを伴う事も有る。

僧帽筋 トリガーポイント

 

TP2は、首の後側面と耳の後方(乳様突起部)に痛みを放散する。

 

「僧帽筋下部線維のトリガーポイント(TP3とTP4:図1参照)」

TP3は、首の後側面から肩甲骨の内側に痛みを放散する。

 

特に乳様突起部と肩峰上部(肩の上部)に強い痛みが現れる。

 

また肩甲骨上角の上部の深部に鈍痛を引き起こす。

 

*僧帽筋は、TP1~3が頭や顔に痛みを放散させる。

 

TP4は、肩甲骨内側縁に持続的な焼けるような痛みを放散する。

 

「僧帽筋中部線維のトリガーポイント(TP5、TP6、TP7)」

TP5は、第7頸椎棘突起の外側面に焼けるような痛みを放散する。

 

TP6は、肩の上外縁部に鈍痛が現れる。

 

TP7は、図1の丸で囲んだ部分の皮膚表面に存在し、痛みではなく、鳥肌を伴った不快な感覚(自律神経現象)を生じさせる。

 

起始:T1~T12とC7の棘突起、項靭帯、外後頭隆起、最上項線

停止:肩甲棘、肩峰、鎖骨

 

神経支配:副神経(第Ⅺ脳神経)、頚神経叢(C2~C4)

 

「胸鎖乳突筋トリガーポイント」

胸鎖乳突筋TPは顔に痛みをもたらし三叉神経痛と誤診される事がある。

 

「胸骨部のトリガーポイント(図2の左図)」

胸骨部下端のTPは胸骨上部に痛みを放散する。

 

胸骨部中間部のTPは、頬から上行し、眼窩の上縁を通り、目の奥に達する痛みを放散する。

 

中間部の内側縁に沿ったTPは、オトガイ部、頬、顎関節、乳様突起部に関連痛を起こし、嚥下の際には咽頭や舌の背部に痛みが放散する事がある。

  

胸骨部上端のTPからの痛みは耳の後方に現れ、頭頂部に皮膚の過敏を伴った痛みを放散する。

胸鎖乳突筋 トリガーポイント

 胸骨部TPに付随する自律神経現象として、過度な涙の分泌、結膜の充血、眼瞼下垂(眼輪筋の痙攣による)と視覚の乱れ、鼻汁の分泌、耳鳴り等が現れる事が有る。

 

「鎖骨部トリガーポイント(図2の右図)」

鎖骨部中間部のTPは前頭部に痛みを放散し、重度の場合、痛みは前頭部を横切って反対側まで広がる。

 

*関連痛のある前頭部に発汗や血管収縮(蒼白)という自律神経現象が現れる事が有る。

 

鎖骨部上部のTPは同側の耳の深部、耳介後部に痛みを放散する事が多く、稀に漠然とした痛みを同側の頬や臼歯に放散する。

 

鎖骨部の伸展刺激や収縮(頭を動かした時など)は、めまい・ふらつきや吐き気などの平衡失調を起こす事が有る。 

 

又、歩行障害(片方へ寄っていく)や同側の上肢の深部感覚の低下(重さの評価の低下)も起こる事が有る。

 

起始:胸骨柄(胸骨部)、鎖骨内側1/3(鎖骨部)

停止:乳様突起、上項線

 

神経支配:副神経(第Ⅺ脳神経)、頚神経叢(C1~C2)

 

「頭板状筋と頚板状筋トリガーポイント」

頭板状筋 頚板状筋 トリガーポイント

「頭板状筋トリガーポイント(図3の上図)」

頭板状筋TPは同側の頭頂部に痛みを放散する。

 

「頚板状筋トリガーポイント(図3の下図)」

頚半棘筋の上部TPは頭の中(特に目の奥)に痛みを放散させる。

 

又、痛みが後頭部を越えて頭頂部にまで放散する事もある。

 

頚半棘筋の下部TPは首の付け根に痛みを放散させる。

 

起始:頭板状筋(C3~T3の棘突起)、頚板状筋(T3~T6の棘突起)

停止:頭板状筋(上項線外側部、乳様突起)、頚板状筋(C1,C2の横突起)

 

神経支配:C1~C6脊髄神経後枝の外側枝

 

「後頚筋(頭半棘筋、頚半棘筋、多裂筋トリガーポイント」

後頚筋:頭半棘筋、頚半棘筋、多裂筋 トリガーポイント

TP1の位置は頸椎4番、5番の高さにある。

 

痛みは上行して後頭部の下部に放散する。

 

又、下方にも放散され、肩甲骨の上部内側縁に放散される(図4参照)。

 

TP2は後頭部の2~3cm下方にある。

 

痛みは後頭部から頭頂部に放散される(図4参照)。

 

TP3は頭半棘筋の後頭骨付着部(上・下項線の間)のすぐ下にある。

 

痛みは側頭部から前頭部まで帯状に放散する。

特に痛みは、こめかみと眼窩上部に強く現れる(図4参照)。

 

後頚筋内のTPは、稀に手と足の両側性の痛みや、同側の肩甲下の体幹に痛みを放散する事が有る。

 

起始:頭半棘筋(C3~T6の横突起)、頚半棘筋(T1~T6の横突起)、多裂筋(椎骨の横突起)

 

停止:頭半棘筋(後頭骨の上項線と下項線の間)、頚半棘筋(C2~C7の棘突起)、多裂筋(2~4個の椎骨を飛び越えて上位の棘突起)

 

神経支配:脊髄神経後枝の内側枝

 

「後頭下筋(大・小後頭直筋、上・下頭斜筋トリガーポイント」

後頭下筋群TPからの関連痛は、同側の後頭部からこめかみと眼窩まで、頭蓋内部を放散するような漠然とした頑固な痛みが広がる。

後頭下筋:大・小後頭直筋、上・下頭斜筋 トリガーポイント

「大後頭直筋」 起始:C2の棘突起 停止:下項線の中間1/3

「小後頭直筋」 起始:C1の後結節 停止:下項線の内側1/3

「上頭斜筋」  起始:C1の横突起 停止:大後頭直筋の停止部の後部

「下頭斜筋」  起始:C2の棘突起 停止:C1の横突起

 

神経支配:C1の脊髄神経後枝(後頭下神経)